プレスリリース・広報

3年目に突入!新入生オリエンテーションで約3000人への救命講習会を行いました

平成27年度から始まった全新入生への救命講習会も、今年で3年目に突入しました。平成29年4月4日(火)から4月6日(木)、学部の新入生に対して行われた全学機構ガイダンスで、新入生2,930人全員を対象とした救命講習会を実施しました。
この講習会では、新入生全員が、心肺蘇生のトレーニングキット「あっぱくん®」を使って、心肺蘇生とAED(自動体外式除細動器)の使い方を体験しながら救命救急の意義と具体的な方法を学びました。医学研究科人間健康科学系専攻の教員を中心に、医学部附属病院救急部、国際高等教育院などのべ180人以上の教員がサポートスタッフとして参加しています。参加している私たち教員は、京都大学に入学してきた学生が、困っている人を見かけたら、自ら進んで助けられる心優しい人間になり京都大学を巣立っていくことを、心から願って毎年オリエンテーションでこの「いのち」の教育を行っています。
なお、本専攻では、授業時間を中心に、種々の機会に継続的に救命講習を実施していく予定をしています。
今回の講習会は、京大広報にも掲載されています。講習会を受講した学生の「声」が報告書には含まれておりますので、是非ご覧ください。



平成29年度新入生3000名への救命講習会実施報告書

京大広報(平成29年5月号)

京都大学とアステラス製薬 先端医療実現を目指すアライアンス・ステーション開設



 

 

 

京都大学(本部:京都、総長:山極 寿一)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、京都大学内にオープンイノベーションの新たなスキームとしてアライアンス・ステーション(以下、「Aステーション」)を開設し、その枠組みの実施基盤として、京都大学大学院医学研究科に「先端医療基盤共同研究講座」を設置しましたので、お知らせします。

社会には難病や稀少疾患をはじめとして、未だ多くのアンメットメディカルニーズが存在しますが、重篤性や希少性から疾患メカニズムの解明は難しく、より複雑になってきています。このような背景から、現在の創薬・医学研究では、ヒトにおける病態の理解がより重要となってきており、患者さんの血液等のサンプルから、真に患者さんの病態に関わりのある分子・細胞を同定することや、個々の患者さんの層別化等を行う研究が広く進められています。これらの研究成果を革新的な新薬として一日も早く患者さんのもとへ届けるには、臨床に近い場で臨床ニーズを把握し、疾患をより深く理解し、創薬へつなぐステップが必要です。その実現に向けて、この度、大学の医学研究と製薬企業とのスピーディな連携をとるスキームを構築しました。

Aステーションは、京都大学とアステラス製薬がAKプロジェクト*1を通じて構築した臨床/基礎/創薬の連携体制を踏まえ、更に進化させた形で、オープンイノベーションによる創薬研究加速を目指して開設したものです。両者はAステーションを新たな産学連携の基盤として機動的かつ柔軟に協働し、あらゆる疾患領域を対象に複数の共同研究テーマを進めていきます。
京都大学とアステラス製薬はこれらの共同研究活動を通じて、アンメットメディカルニーズに応える創薬シーズ探索の加速及び臨床有用性予測技術の向上を目指していきます。

*1 AKプロジェクト:2007年7月から2017年3月末まで、文部科学省 先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラムとして、「次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点」で実施されていた京都大学とアステラス製薬の協働研究。

平成28年度健康管理講演会(医学研究科等安全衛生委員会主催)を開催しました

医学研究科等安全衛生委員会では、平成21年度から毎年、健康管理をテーマにして、「健康管理講演会」を開催しています。当初は、医学研究科や本学の教職員、学生等が対象でしたが、平成24年度からは一般の来聴も受け入れています。
今年度は、委員長の小泉昭夫教授を講師として、以下のとおり開催しました。

・日 時 3月29日(水)13時15分 ~ 14時30分
・場 所 芝蘭会館2階 稲盛ホール
・演 題 長時間労働の問題を考える
―― 過労死事件にまなぶ
・主 催 医学研究科等安全衛生委員会

〔講演概要〕
講演内容は多岐にわたりました。一部のご紹介になります。
冒頭には、日本企業の伝統的な長時間労働に対して、二つの事案の紹介がありました。

過労自殺で会社(電通)の責任を認める司法判断が下されたのは1991年のことですが、同じく電通で、2015年には、新入社員の高橋まつりさんが自殺し、長時間の過重労働が原因として労災が認められました。この事件は、メディアでも大きく取り上げられました。
また、2017年には、関西電力の管理職(40代の男性社員)が過労自殺しましたが、敦賀労働基準監督署は、管理職であっても健康面に配慮する義務があると、同社に対して指導を行っています。

「なぜ長時間労働になるのか」について、労基法などの法制度からの説明があり、また医学研究科等安全衛生委員会委員長の立場から、医学研究科及び医学・病院構内共通事務部の残業時間の分析が行われました。
また、大学の運営費交付金が漸減していくなかで、競争的資金獲得に費やされる時間・労力が増え、研究時間が減少するなか、成果が求められ、論文数の発表は増加するものの、インパクトのある論文、引用される論文が少なくなるという調査結果について、解説がありました。

社会は、熾烈な過当競争時代を迎え、企業は、個人が自由に使える「仕事」や「活動」へ侵入して、無形の企業財産の拡大へ向かうということですが、個人の人生は、栄養の改善、感染症の減少などにより、平均寿命は延び、人生100年時代を迎えるそうです。
長くなった人生を如何に生きるかということについて、「身体の健康」「精神的な健康」「社会的な健康」という健康の定義(WHO)から、メンタルヘルスに加えて、スピリチュアルヘルスの重要性について示唆がありました。
そして「人生100年の中での仕事とは?」という切り口で、『100年時代の人生戦略』を紹介され、健康寿命を延ばすことが重要となり、これまでの教育・仕事・引退という3ステージから、人生100年に対応するため、更にステージを加えること、就業をライフサイクルの中で位置づけることが必要になるということです。

ご講演を聴いて、長くなった人生に、健康であることは重要ですが、ライフシフトの面から、就業時期を、そのための資産を得る時期として捉え直し、活力資産、変身資産が、長くなった人生を支えるために重要になるということを学びましたが、学生期や仕事期への評価や対応も変わってくるように感じました。一方で、高額医療費や命の格差が生じるなどの問題点についてもご指摘がありましたので、長く、健康的に生きることは殊の外難しいことのようです。

最後に、小泉先生の提言で締めくくらせて戴きます。

〔提言〕
今後間違いなく長命化が起こる。100年ライフの時代となる。現在の職業観・就業形態も変化する。そこで、以下を提言したい:
1.就業をライフサイクルの中で位置づけること
2.人生で3ステージ以上のステージで就業も多様な形態となること
3.活力資産(自己再生産のための資源)として健康や家族は非常に大きいことの評価
4.健康管理による健康寿命の延伸が必要

(文責 安全衛生掛(高橋))