研究・教育について
教育について 前期前半:医学コミュニケーション・基礎 21年度から、本コースは医学研究科社会健康医学系専攻のMPHコア科目の一つになりました。医学コミュニケーションの開講講座として、さまざまなバックグランド、専門、興味を持つ学生への対応を目的とした基本的事項を網羅し理解、検討を行います。 講義目標 •コミュニケーション学からの理論を用いた医学コミュニケーションの基本的枠組み、コンセプトを理解する。 •医学コミュニケーション領域内で自分の関心分野を意識し、問いを立てることが出来る。 【特徴】 ほとんどの受講学生が医療系バックグラウンドを持っていること、そして7回で修了するという短期集中コースです。そのため、扱う内容は主にコミュニケーション学と医療社会学に絞り込んでいます。授業で意識していることは、コミュニケーションというと、「一対一の対面での言語を使ったコミュニケーション」をまず思い浮かべることが多いので、まずその常識を崩すこと、そのために非言語コミュニケーションを中心に話しています。またコミュニケーション学でつかわれているいくつかのフレームワークを紹介し、必要に応じて自分のリサーチに取り入れてもらうことを目的としています。 前期後半〜後期:医学コミュニケーション・演習(通年コース) この授業では、「〜からみた医学」シリーズで医学を多角的に検討していきます。 講義目標 •前期前半の医学コミュニケーション・基礎の内容をさらに具体的に深める。 •医療・医学と社会との関係を理解する。 •自分のリサーチドメインを明確にし、詳しい文献調査を行う。 【特徴】 前期後半から始まり後期まで続くこのコースは平成22年度からの新しい授業スタイルです。前期前半での基礎コースが「イントロ」とするなら、こちらは「本論」であり、前期で取り上げたテーマを深く取り上げたり、前期ではコマ数の関係で触れない「障害学」も扱ったりしているのがこの授業での大きな特徴です。「障害」をインペアメント(損傷)あるいは福祉の観点から認識することが多い福祉・医療系の学生に、「障害という現象・障害をめぐるコミュニケーション」について語ることは、障害学の営みそのものであり、その意義は大きいと考えています。また座学中心だった「基礎」のクラスに比べると、「演習」はいくつかのワークショップなどをとおして「実践」するコースと言えます。
研究について 研究にはその人個人の歴史や軌跡が色濃く反映されます。私自身の研究内容も、異文化コミュニケーション、ヘルスコミュニケーション、障害学とあっちこっちと一見脈絡が無いようでいて実は「当事者から見た世界」に常に関心が「平均像」ではなく個々の世界観に肉薄する研究をしてきました。現在、医学コミュニケーションと関連して、「二つの社会の橋わたし」、医療者間コミュニケーション、障がい者の高齢化、医療の中の異文化コミュニケーション、インクルーシブデザイン研究などに興味があります。また、2010年には京都大学において「第2回ヘルスコミュニケーション研究会」が開催され本研究室が事務局を務めました(健康情報学との共同による)。その際150名を超える参加者が集まり、日本におけるヘルスコミュニケーションへの関心の高さを実感しました。 「医学コミュニケーションを学んで何になるのか」 この問いに対して、今私の言えることは、「学問とは地図を獲得するようなもの」。つまりそれによって自分の進みたいと思っている地形の起伏・形状を教えてくれたり、いつ終るかも判らない旅のプロセスの予測を立てやすくしたりしてくれる。が、地図自体があなたにあの目的地をめざしてこのルートで行け、とは言わない。最短距離をめざすのか、目を引く景色に出会ったら回り道をするのも自由。 医学コミュニケーションという地図(ツール)を使ってあなた自身の研究をデザインしてください |
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| 研究業績 |
| 1. |
Iwakuma, M. (in press). An adjustment process and communication dilemma of people with disabilities in Japan. Hampton press. |
| 2. |
Iwakuma, M. (2011, in press). Disability in the Far East: How Japan has responded a phenomenon of disability. Review of Disability Studies. |
| 3. |
岩隈美穂 (2010).「医学コミュニケーションについての覚え書き」、『日本ヘルスコミュニケーション研究会雑誌』、vol.1, pp. 43-47. |
| 4. |
岩隈美穂 (2010).「マジョリティからマイノリティへの移行:身体障害者の例から」 酒井郁子・金城利雄 編集、『リハビリテーション看護』、南江堂。 |
| 5. |
岩隈美穂・酒井郁子 (2010). 「障害とともに年をとる」 酒井郁子・金城利雄 編集、『リハビリテーション看護』、南江堂。 |
| 6. |
Iwakuma, M. (2007). A chronicle of my education and disability transformation. In M. L. Vance (Ed.), Multiple Voices and Identities in Higher Education: Writings by Disabled Faculty and Staff in a Disabling Society (pp. 87-95). Huntsville, NC: Associates on Higher Education And Disability. |
| 7. |
Iwakuma, M., Stadnyk, R. (2007). Aging with spinal cord injury, future directions, and implications. In Festival of International Conferences on Caregiving, Disability, and Aging and Technology Proceedings (CD-Rom). |
| 8. |
岩隈美穂 「障がい者、高齢者とのコミュニケーション」伊佐雅子 編著、『多文化社会と異文化コミュニケーション』、三修社、2007年 |
| 9. |
岩隈美穂「見る立場から見られる立場へ」酒井郁子 編著、『超リハ学』、文光堂、2005年、pp.12−21 |
| 10. |
Iwakuma, M. (2003). Being Disabled in Modern Japan: A Minority Perspective. In E. M. Kramer (Ed.), The Emerging Monoculture: “Model Minorities” and Benevolent Assimilation (pp. 124-138). Praeger Press. | | | |